ドッグフード

【獣医師執筆】ドッグフードの選び方で気にするべき7つのポイント

執筆者:平松 育子
獣医師・ペットライター山口大学農学部獣医学科卒業山口県内の複数の動物 ...プロフィールをもっと見る

ドッグフードを購入するとき、何を基準に選んでいますか。

ドッグフードはペットショップでも通販でも購入可能ですが、どれも良さそうに思えて結局どれを選べばよいのかわからないという声をよく聞きます。

そこで今回は、ドッグフードを選ぶときに押さえておきたいポイントを解説します。

ドッグフード選びの7つのポイント

ドッグフードを選ぶときは、何を重視するかを決めると選びやすくなります。たとえば、ドライフード・ウエットフードなどのタイプや年齢、目的を決めておくと、的を絞りやすくなるでしょう。

フードのタイプ別分類

フードのタイプには大きく分けて4種類あります。

  • ドライフード:水分含有量が10%以下のもの
  • ウエットフード:水分含有量が75%以上のもの
  • ソフトドライフード:水分含有量が10~35%程度のもの
  • セミモイストフード:水分含有量が25~35%程度のもの

ライフステージ別分類

犬のライフステージはパピー・アダルト・シニアの3つに分類されますが、犬の体格によって各ライフステージの年齢が異なります。

超小型犬・小型犬中型犬大型犬超大型犬
パピー7か月未満7か月未満1歳未満1歳未満
アダルト7か月〜11歳7か月〜8歳1〜8歳1〜8歳
シニア11歳以上8歳以上8歳以上6歳以上

体格による分類

体重によって犬の大きさが分類されているため、体格別にフードを探す際は以下の体重を参考にしてください。

  • 超小型犬:5㎏未満
  • 小型犬:10㎏未満
  • 中型犬:10~25㎏未満
  • 大型犬:20~40㎏
  • 超大型犬:40kg~ 

犬種別分類

犬種の特徴に合わせて栄養成分が調整されたフードがあります。愛犬の犬種別に選ぶことが可能です。

ドッグフードの栄養的分類

ドッグフードには栄養上の分類の仕方もあり、以下の4種類に分けられます。

総合栄養食

毎日の主要な食事として給与することを目的とし、このフードと水だけで健康を維持できるような栄養素的にバランスが取れたドッグフードです。

栄養基準のガイドラインはAAFCO(米国資料検査官協会)などで決められており、多くの国でペットフードの栄養基準表示の根拠とされています。

副食

嗜好性が高く、食欲増進などの目的で使います。単独では栄養バランスが不十分のため、総合栄養食との併用が基本です。

間食

おやつやスナック、またはご褒美として、限られた量を与えることを目的としたペットフードです。おやつ、スナック、トリーツなどと表示されています。

適切な栄養量を維持するために給与回数、給与量は一日に必要なエネルギーの10~20%以内に抑えましょう。

栄養補助食

特定の栄養の調整やカロリーの補給などを目的としたペットフードです。

栄養補完食、カロリー補給食、動物用栄養補助食(動物用サプリメント)などと表示されます。

目的別フード

「減量用」「尿路結石に配慮」「腸の健康」「皮膚の健康」など、目的別で作られたドッグフードもあります。

療法食のような厳密さはありませんが各目的に対する配慮がされているフードです。

「病気ではないものの気になる行動がみられる」「少しでも元気に過ごしてもらいたい」と考える飼い主さまは、目的別フードを検討してみるとよいでしょう。

疾患別フード

疾患別に分類されたフードは療法食と呼ばれ、獣医師が処方します。

腎臓用、関節用、減量用、アレルギー用など、病気治療のためのフードです。含まれる成分を疾患に合った割合に変化させています。

フードのタイプ別選び方

ここでは、ドッグフードのタイプ別に、選び方のポイントを紹介します。それぞれのメリットとデメリットを把握して、愛犬に合ったフードを選びましょう。

ドライフード

カリカリといわれることも多いドライフード。水分量が10%程度以下のフードで、加熱発砲処理された固形状のものがほとんどです。

水分含有量が13%以上ではカビが生えやすくなるため、12%以下に保つ必要があります。

ドライフードのメリットは以下のとおりです。

  • 適切な保存方法であれば、長期保存が可能
  • しっかりと噛んで食べるわんちゃんの場合は、歯垢が付着しにくくなり歯石の沈着を最小限に抑えられる
  • ふやかすことが可能なため、柔らかくするなどのアレンジがしやすい

ウェットフード

ウェットフードには「缶詰」「パウチ」「トレイ」があります。水分が75%程度で、品質保持のために殺菌工程を経て、缶詰・アルミトレー・パウチに充填されています。

殺菌工程を挟むため、未開封で適切な保存方法であれば1~2年程度の長期保存が可能です。

ウェットフードのメリットは以下のとおりです。

  • 水分含有量が高く、食べることで水分補給が可能
  • 香りが強くて風味が良く、柔らかい歯ざわりのため食欲をそそる
  • トッピングや投薬に利用できる

一方で、コストがかかる、缶詰の廃棄に気をつかう、歯石が付きやすいなどのデメリットもあります。

半生フード

半生フードのカテゴリーには「ソフトドライ」と「セミモイスト」の2種類があります。

ソフトドライは製品水分25~35%程度のフードで、加熱発砲処理されています。しっとりさを保つために、湿潤調整剤(プロピレングリコール)が使用されています。

セミモイストは製品水分25~35%のフードで、押し出し機などで製造され発砲していないものです。湿潤調整剤を使用して、しっとり感を出しています。

半生フードのメリットは以下のとおりです。

  • ドライフードよりも香りが強く、柔らかいため食欲を刺激しやすい
  • ウェットフードのように柔らかい口触りでありながら、ウェットフードよりも保存しやすい
  • ドライフードよりも水分補給ができる

ただし、半生フードは糖分や保存料が多く含まれているものが多い点に注意が必要です。

実際に飼い主さまとお話ししていると、フード選びに悩んでいる方が多くいらっしゃいます。

「店頭に行くとどれもよさそうに見えて、わからなくなってしまう」という理由から、いつものフードを選んでしまう方が多いようです。

動物病院の隣にペットショップがあるため、飼い主さまと一緒に行って選ぶこともしばしばあります。

フードを選ぶポイントは多岐にわたりますが「犬種」「年齢」「どのような悩みがあるのか」「好み」「粒の大きさ」などを一つひとつ聞いていくことで、理想のフードにたどり着けました。

喜んで帰って行かれる飼い主さんを見送りながら、みなさんの苦労を知ると同時に、わんちゃんたちは愛されていて幸せだなと感じました。

たくさんありすぎてどのフードを選べばよいか迷っている方や、わんちゃんの身体に合うフードがわからない方は、かかりつけの獣医師に相談してみてください。

ライフステージ別選び方

ドッグフードを選ぶときは、ライフステージに合っているかどうかを確認しましょう。年齢によって必要な栄養素が異なります。

パピー

パピー期は成犬と比べてエネルギー消費が高く、成長するために特定の栄養素を必要とします。

「高タンパク」「脂肪含有量が多め」「DHA含有」などがパピー期のフードの特徴です。

成長期には、筋肉を発育させるために良質な動物性タンパクが欠かせません。また、効率良くエネルギーを得るには、アダルト期よりも脂肪量を多めにする必要があります。

DHAは脳の発達に必要な脂肪酸で、パピー用フードに追加されています。

アダルト

成長期なるとエネルギー消費が安定し、成長するというよりは健康維持が目的となります。

「適切なタンパク量」「適度な脂肪」「関節への配慮」がアダルト期のフードの特徴です。犬種により体格が異なるため、体重や活動量に適したタンパク質が含まれています。

また、アダルト期に入ると成長が終わり体格が安定するため、パピー期よりも脂肪量を減らすことが推奨されます。

さらに、年齢を重ねるにつれて不安が募るのが関節です。フードの種類によっては、関節に有用な成分が加えられている場合もあります。

シニア

シニア期のドッグフードは、体力や免疫力が低下する高齢犬の健康維持を目的とした栄養構成となっています。

「低カロリー・低脂肪」「良質なタンパク質」「関節への配慮」「抗酸化成分」などがシニア期のドッグフードの特徴です。

シニア期に入ると活動量が減り、代謝が低下します。そのため、低カロリー・低脂肪のドッグフードに変更し、適切な体重を維持することが重要です。

また、筋肉量を維持していく必要があるため、多くのドッグフードには消化・代謝しやすいように工夫されたタンパク質が含まれています。

さらに、関節軟骨が徐々に薄く、硬くなり関節炎を起こしやすくなることから、グルコサミンやコンドロイチンといった関節保護成分が加えられているものが多いでしょう。

からだが酸化することが老化につながるため、抗酸化成分も含まれています。

病気用フードの選び方

フードに含まれる栄養成分が病気に大きな影響を与える場合、獣医師よりフードの変更を勧められることがあります。

療法食とは

療法食とは、ペットが特定の健康問題を抱えた状態に対応するために設計された、特殊な栄養構成のドッグフードです。

通常、獣医師が処方するフードで、特定の症状や疾患の管理、改善、予防に役立ちます。

たとえば、腎臓が悪いわんちゃんの食事には「低タンパク」「低リン」「低ナトリウム」が推奨されます。

普通食では負担が大きく症状の悪化が懸念されるため、診断された病気に合わせた療法食への変更が必要です。

療法食の長期利用

療法食を長期利用することに対して、心配される飼い主さまがいらっしゃいます。これは、薬を長期間継続すると副反応が起こらないかという心配に近いでしょう。

療法食に関しては、長期継続しても問題がないフードと、定期的な検査が必要なフードがあります

そのため、療法食は獣医師が処方するフードとなっています。長期間利用することで、思わぬトラブルが起こるおそれがあるほか、療法食の変更が必要になる場合もあります。

療法食は必ず獣医師に処方してもらい、定期的に受診しましょう。

療法食を健康なわんちゃんが食べたら?

先に述べたとおり、療法食は診断された病気に対する治療の一環として処方されるフードです。

そのため、健康なわんちゃんにとって必要な成分が減っていたり、増加していたりします。

1週間単位の短期間であれば、療法食を食べてしまっても大きな問題はありませんが、1か月単位にわたって食べることは避けてください

【まとめ】ポイントを押さえて愛犬に合ったドッグフードを選びましょう

ドッグフードを選択するときには、チェックポイントがいくつかあります。

「年齢」「目的」「フードのタイプ」は必須項目です。それらをチェックしたのち、総合栄養食の表記があるかどうかを確認してください。

ただし、食べてくれるかどうかは、残念ながら袋を開けるまでわかりません。店頭で購入する場合はサンプルがあるかを店員さんに確認してみましょう。

本記事をフード選びの参考にしていただければ幸いです。

ABOUT ME
平松 育子
獣医師・ペットライター
山口大学農学部獣医学科卒業
山口県内の複数の動物病院で代診を務めたのち、2006年に動物病院を開業。
ペット関連のウェブライターとして、多数のメディアの記事執筆、監修を行う。
2023年6月 ペット専門の記事作成会社「アイビー・ペットライティング」設立。代表を務める。
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