ドッグフード

【獣医師執筆】卵入りドッグフードのメリット・デメリットとおすすめフード

執筆者:平松 育子
獣医師・ペットライター山口大学農学部獣医学科卒業山口県内の複数の動物 ...プロフィールをもっと見る

ドッグフードの原材料で、主にタンパク質源として使われるのは「魚」「肉」「豆類」ですが、原材料のリストには卵が含まれていることがあります。

卵は栄養豊富である一方、アレルギーを引き起こす原因となるおそれもなるため注意が必要です。

この記事では、卵入りドッグフードを与えるメリット・デメリットやおすすめの商品を紹介します。

卵の栄養素

卵は昔から滋養強壮食品として重宝されてきました。

食物繊維とビタミンC以外の栄養素がすべて含まれているといわれており、その栄養価の高さから「完全栄養食品」と呼ばれています。

タンパク質や脂質をほどよく含み、ビタミンやミネラルが豊富である点が特徴です。

卵黄の栄養素

卵黄には「脂質・タンパク質・ビタミンA・ビタミンB群・ビタミンD・ビタミンE・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄・亜鉛・葉酸」が含まれています。

脂質にはオレイン酸が含まれ、悪玉コレステロールを下げる働きがあります。

特に多く含まれているのはビタミンA・Dです。ビタミンAは皮膚や粘膜の健康維持に必要なビタミンで、ビタミンDにはカルシウムの吸収をサポートし、骨を強くする働きがあります。

卵白の栄養素

卵白の栄養素は、基本的には卵黄と同じですが、卵黄よりも脂質の量が少なく、カリウムが含まれています。

カリウムは細胞の浸透圧を調節するほか、筋肉の収縮に関係する重要な栄養素です。

タンパク質は卵白にも含まれており、卵1個(約50g)に含まれるタンパク質の量は約6gと多めです。

生の卵白には注意が必要

ドッグフードに含まれている卵は、加熱されているため心配ありませんが、生の卵を与える際は卵白に注意が必要です。

卵白にはアビジンというタンパク質の一種が含まれており、多量に摂取すると皮膚炎や成長不良を引き起こす原因となります。

アビジンは熱に弱いため、生で大量に卵白を食べないようにして、与えるときはできるだけ加熱しましょう。

超優秀な卵のアミノ酸スコア

卵にはタンパク質が豊富に含まれています。

このタンパク質は、体内でアミノ酸に分解されて吸収され、からだにとって必要なタンパク質へと作り変えられます。

アミノ酸には約20種類あり、体内で「作ることができるもの」と「作ることができないもの」に分けられます。

体内で作り出せず、食べ物から摂取する必要があるアミノ酸が必須アミノ酸です。アミノ酸からからだに必要なタンパク質を体内で合成しますが、アミノ酸のバランスが悪いと効率良くタンパク質を作れません。

必須アミノ酸のバランスを示したものが「アミノ酸スコア」です。食べ物に含まれる必須アミノ酸が、必要摂取量を満たしているかどうかを数字で示したものです。必須アミノ酸がすべて一定の基準値を超えていれば100となり、どれか1種類でも少ない場合は100以下となります。

卵のアミノ酸スコアは100

良質なタンパク質とは、必須アミノ酸がバランスよく含まれたタンパク質で、アミノ酸スコアで確認できます。

卵のアミノ酸スコアは100のため、非常にバランスの良いタンパク質源といえるでしょう。積極的に摂取していきたい食材の一つです。

卵入りドッグフードのメリット

良質なタンパク質源である卵を使用したドッグフードのメリットを紹介します。

食物アレルギーでも食べることができる

食物アレルギーを疑うとき、真っ先に思いうかぶ食材は「肉」や「魚」ではないでしょうか。そのほか、食物アレルギーの原因となる食材としては「大豆」「小麦」「米」「トウモロコシ」などの野菜が挙げられます。

食物アレルギーでお悩みの場合は、肉や魚以外のタンパク質源として卵が含まれているドッグフードを利用できる可能性があります。

ドッグフードを切り替えたときは、お腹を壊すおそれがあるため、少しずつ食べる量を増やして様子をよく見てあげてください。

【事例】卵入りフードへの変更でかゆみが改善

以前担当していた患者さんで、かゆみが止まらないわんちゃんがいました。


最初はかゆみ止めの薬を飲めば、ある程度症状が治まっていましたが、徐々にひどくなり薬があまり効かない状況となりました。


そこで、食物アレルギーや環境に対するアレルギーがないかを調べるためにアレルギー検査を実施。

検査の結果、特に食物に対するアレルギー反応がひどいことがわかりましたが、卵とお米は大丈夫だったため、卵を使っているドッグフードに変更しました。


すると、徐々にかゆみが治まっていきました。最初は軟便になりましたが、消化管が慣れてくれたのか軟便も徐々に良くなりました。

アミノ酸バランスが良い

先述したとおり、卵はアミノ酸バランスが100と非常に優れたタンパク質源です。

良質なタンパク質が含まれたドッグフードは、愛犬の健康を維持するために欠かせません。

タンパク質をたくさんあげれば良いわけではなく、高タンパク質のフードはかえって腎臓に負担をかけてしまいます。アミノ酸バランスが良い食材を適量食べることが大切です。

卵入りドッグフードのデメリット

優れたタンパク質源である卵ですが、卵を利用したドッグフードのデメリットもあります。代表的なデメリットには以下のようなものがあります。

卵アレルギーの場合は食べられない

人の場合、卵は日本人の食物アレルギーの原因として最も多く、約3~4割を占めます。

おもなアレルゲンは卵白のオボアルブミンと呼ばれる抗原ですが、卵黄に対してもアレルギー反応を起こす場合があるため全卵に注意が必要です。

一方で犬の場合、卵アレルギーは食物アレルギーをもつ犬のうち1割程度を占めています。

卵アレルギーをもつ犬の場合、ドッグフードやおやつを選ぶ際には注意が必要です。皮膚のかゆみなどの皮膚症状だけではなく、嘔吐下痢といった消化器症状を引き起こすこともあります。

コストがかかる

卵の価格は比較的安定しており、1年を通して供給が可能な食材です。

しかし、卵は水分が多く、そのままの状態では使用しにくいデメリットがあります。

ドッグフードに使用する際には、さまざまな方法で乾燥させる必要があり、現在は噴霧乾燥法がもっとも広く使われています。

こうした手間がかかるため、卵入りのドッグフードはコストが高くなる傾向があります。

嗜好性が低い

ドッグフードに含まれる肉や魚のニオイは「おいしそう」と感じるニオイで、興味や食べたいという気持ちにつながります。

一方、卵にはあまりニオイがないため、鼻が利くわんちゃんたちの興味をそそりにくいかもしれません。

卵でアレルギーが起こる理由

卵を食べるとなぜアレルギーが起こってしまうのでしょうか。

アレルギーを起こす原因物質(アレルゲン)は、卵に含まれるオボアルブミンやオボムコイドなどのタンパク質です。

それらが体内で異物と認識されると「IgE抗体」が作られ、IgEがアレルゲンと結合した際に、細胞からアレルギー症状を起こす物質が放出されます。

そのため、一度アレルゲンとなった食材を再び食べてしまうと、かゆみや嘔吐下痢、喘息のような症状が起こります。

アレルゲンとなっている食材がわかる場合は、食べないことが重要です。

おすすめの卵入りドッグフード3選

シュプレモ 超小型犬用 [成犬用]

ポイント:
成犬、皮膚ケア

「シュプレモ 超小型犬用 [成犬用]」は、愛犬の健康で元気な体、美しい皮膚・被毛の健康維持に配慮した成犬用のドッグフードです。自然飼育されたチキンや愛犬の体に必要なアミノ酸を豊富に含むビーフやラム、太陽をたっぷり浴びて完熟したトマトなど、栄養素を豊富に含む高品質な自然素材を厳選し、最適な栄養バランスでブレンドしています。

「代謝エネルギーが高い」「あごや口が小さい」「好き嫌いが多くなりがち」といった超小型犬の特徴に配慮しています。フードは超小型犬でも噛みやすい小粒タイプです。

オリジン PUPPY

ポイント:
子犬

「オリジン PUPPY」は、子犬が必要とする良質なたんぱく質と脂肪が豊富に詰まっている、子犬用のドッグフードです。動物原材料には、放し飼いの鶏と七面鳥、天然魚、平飼い卵などを使用しているため、高品質な動物性たんぱく質がたっぷり含まれています。

また、使用する動物原材料の3分の2は新鮮または生で調理されるため、栄養素が最も自然かつ栄養価が高い状態で食べることが可能です。フリーズドライのレバーを配合し、子犬が喜ぶテイストに仕上げられています。

アカナ アダルトスモールブリードレシピ

ポイント:
成犬

「アカナ アダルトスモールブリードレシピ」は、成長期の小型犬が元気に成長できるよう、原材料調達から調理まで考え抜いて作られたドッグフードです。カナダ産の新鮮な鶏肉や生のカレイなどの高品質な動物原材料が60%、フルーツや野菜、ハーブが40%とバランスよく配合されています。

高品質な原材料が使用されているため、たんぱく質が豊富で、ビタミンやミネラルなども加えられています。小型犬の健康をサポートし、食べやすい小粒タイプになっています。

まとめ

卵はアミノ酸スコア100の良質なタンパク質源ですが、食物アレルギーを引き起こすおそれもあるため注意が必要です。

食物アレルギーは主にタンパク質に対して起こりますが、どのような食材でもアレルギー反応が起こる可能性はあります。

卵が使用されているドッグフードやおやつを取り入れるときは少量から始め、愛犬の様子をよく観察しましょう。

ABOUT ME
平松 育子
獣医師・ペットライター
山口大学農学部獣医学科卒業
山口県内の複数の動物病院で代診を務めたのち、2006年に動物病院を開業。
ペット関連のウェブライターとして、多数のメディアの記事執筆、監修を行う。
2023年6月 ペット専門の記事作成会社「アイビー・ペットライティング」設立。代表を務める。
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