執筆者:岡田 京子
北里大学 獣医畜産学部 獣医学科2008年卒業。金沢医科大学 大学院 ...プロフィールをもっと見る
ふわふわな被毛と愛らしい表情が魅力のポメラニアン。元気いっぱいに過ごすために、食事はとっても大切です。
愛犬の健康を維持するには、栄養バランスが整ったドッグフードを選ぶ必要があります。
しかし、市場にはたくさんの種類があり、どれを選べばよいのか迷ってしまう方は多いでしょう。
そこで今回は、ポメラニアンにぴったりなドッグフードの選び方と、適切な食事量、おすすめのフードを紹介します。愛犬の健康と長寿のために、ぜひ参考にしてみてください。
ポメラニアンはどんな犬種?
ポメラニアンは、体重が1.8〜3.0kgほど、体が18〜22cmほどの超小型犬です。
ふわふわとしたダブルコートで、毛色は20種類以上。白やクリーム、黒をはじめとして、薄いベージュ色のビーバーや、ブラウンよりも薄いチョコレートなどさまざまです。
平均寿命は約15〜16年といわれています。
手足は細く、小型犬の骨格特有の膝蓋骨内方脱臼や骨折、原因不明の脱毛疾患であるアロペシアXの好発犬種です。
ポメラニアンのドッグフード選びのポイント
愛犬の健康と長生きのために、適切なドッグフードを選ぶことはとても大切です。ここでは、超小型犬であるポメラニアンに特化した、ドッグフード選びのポイントを詳しく解説します。
粒の大きさ
ポメラニアンの小さな顎でも食べやすい小粒タイプを選びましょう。
一般的なドッグフードよりも、さらに小さな「超小型犬用」の粒を選ぶのがおすすめです。
消化性
良質なタンパク質を豊富に含んでいることも重要なポイント。動物性タンパク質が主原料で、消化吸収率の高いチキンやラム、サーモンなどのドッグフードを選ぶとよいでしょう。
副産物や穀物を使用していないフードも、消化に優しいためおすすめです。
脂質
健康な皮膚や被毛を維持するためには、適度な脂質が必要です。
オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸がバランスよく含まれているフードを選びましょう。
チキンオイルやフィッシュオイルなどが配合されているフードもおすすめです。
その他の栄養素
上記で解説したタンパク質や脂質のほか、カルシウムやビタミンE、亜鉛なども健康を維持するために欠かせません。
- カルシウム:骨や歯の健康維持
- ビタミンE:抗酸化作用
- 亜鉛:皮膚や被毛の健康維持、免疫力向上
添加物
着色料、保存料、香料などの合成添加物はできるだけ避けましょう。これらの添加物は、見た目を良くしたり、嗜好性を高めたり、長持ちさせるために使用されていますが、愛犬の健康に悪影響を及ぼすおそれがあります。
無添加のフードを選ぶのが理想ですが、どうしても添加物が入っているフードしかない場合は、添加物の種類と量が少ないものを選びましょう。
ライフステージ
仔犬、成犬、シニア犬など、それぞれのライフステージに合わせたフードを選ぶと、愛犬の健康により適した栄養を与えられます。
仔犬 | 成長に必要な栄養素が豊富に含まれているフード |
成犬 | 健康維持に必要な栄養素がバランスよく含まれているフード |
シニア犬 | 消化に優しく、関節ケアや腎臓ケアなどの機能性を持ったフード |
ポメラニアンのドッグフードを選ぶ際の注意点
ドッグフードは、愛犬の体重や体格に合わせて適切な給餌量を与えることが大切です。
フードを変更する場合は、新しいフードを混ぜながら1週間~10日ほどかけて少しずつシフトしていき、愛犬の体調を見ながら切り替えましょう。
愛犬がフードを食べない、体調が悪いなど、何か気になることがあれば獣医師に相談してください。
ポメラニアンのフード選びのトラブル事例
超小型犬であるポメラニアンは、昨日まで食べていたドッグフードを急に食べなくなる、いわゆる「グルメ」が多くみられます。
このとき「これなら食べるかな?」とウェットフードやおやつを多く与えてしまう飼い主さんもいるでしょう。
しかし、これは実は逆効果で、さらなるグルメを招いてしまいます。
以前、フードジプシーにはまって毎日ビュッフェスタイルになり、最終的にはおやつしか食べなくなってしまった子に出会ったことがあります。
おやつしか食べないと栄養が偏り、ポメラニアン特有のふわふわな被毛が減ってゴワゴワになってしまうおそれがあるため注意しましょう。
フードを食べてくれないときの対処法については、以下の記事を参考にしてください。
ポメラニアンにドッグフードを与える頻度
超小型犬に分類されるポメラニアンは、6か月齢ごろから体重の増加が落ち着き始め、10か月齢くらいまでが成長期といわれています。
成長期のポメラニアンには、1日3〜4回に分けて少しずつ食事を与えます。成犬・シニア犬は1日2回が目安です。
ただし、上記はあくまで目安であり、成犬・シニア犬の食事回数について、はっきりとした決まりはありません。
犬の栄養の管理は1日のトータル摂取カロリーと栄養バランスが重要で、それを満たしていれば、食べやすいタイミングで与える方法でもまったく問題ありません。
たとえば、以下のように犬の状態に合わせたご家族のやり方で大丈夫です。
- 朝ごはんはお散歩が終わってから遅めの時間にあげる
- おなかがすくと吐いてしまうため回数を多めにして与える
- シニアになってから一度に食べられる量が減ったため、少量ずつあげることにしている
ポメラニアンに与えてはいけない食べ物
ポメラニアンに限らず、犬には与えてはいけないものがたくさんあります。
とくに、ポメラニアンが体が小さく、少量でも重篤になる危険性があるため注意が必要です。
一般的に犬に与えてはいけない食べ物としては、以下が挙げられます。
- ネギ類
- チョコレート
- アルコール類 など
ご自宅でも、外出時でも、飼い主さまが目を離したすきに誤って食べてしまうことがないよう、しっかりと管理を行いましょう。
また、万が一食べてはいけないものを口にしてしまった場合は、自己判断での処置は避け、すぐに動物病院へ連絡してください。
ポメラニアンにおすすめのドッグフード5選
【まとめ】ポメラニアンの特徴に合わせたドッグフードで健康を維持しましょう
ポメラニアンのドッグフードの選び方を紹介しました。
愛犬の健康を保つためには、ポメラニアンに必要な栄養素を含むフードや、適したサイズのフードを選ぶことが大切です。
また、体格やライフステージに合わせてフードの種類や与え方を変えていきましょう。
丸一日以上、まったくフードを食べない、嘔吐や下痢がある、元気がなくぐったりしているなど、異変が見られる場合は早急に動物病院を受診してください。
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